スズメバチは10種類以上!ひと目で見分けるコツ&生態データまとめ
スズメバチの仲間は多く、17種類もいます。そのなかでも一番大きく、凶暴で危険なハチは、なんといってもオオスズメバチです。なぜならオオスズメバチは、攻撃性が高く、毒性がスズメバチの仲間のなかで最も強いハチだからです。
しかしハチのなかには、スズメバチにそっくりなものがいます。最近よく見かけるあのハチは、スズメバチなのか?それともそっくりさんのハチなのか?
このコラムでは、オオスズメバチの見分け方だけでなく、スズメバチの仲間の特徴をご紹介します。自身を守るために、近くにいるのは攻撃性の高い危険なスズメハチなのか、それともそっくりさんなのか、見分ける方法を知りましょう。
目次
スズメバチの種類は17種類+そっくりさんもいる!
日本には、17種類のスズメバチの仲間がいます。スズメバチの仲間とは、スズメバチ亜科に分類され、スズメバチ属、クロスズメバチ属、オナガスズメバチ属の3つの属に分類されるハチたちです。
この3つのスズメバチ属を見分けるときに着目するポイントは、大きさの違いです。大きいものから順に、スズメバチ属、クロスズメバチ属、オナガスズメバチ属となります。
これらのスズメバチはどれも、人に対して攻撃的な性格をしているため人を刺します。人が刺されると、毒性が高いことから重症化することも多く、注意が必要です。
ハチのなかには、スズメバチと間違ってしまうくらいそっくりなハセグロアシナガバチというハチがいます。スズメバチにそっくりである理由として、分類上、スズメバチ科に属すること、大きさが日本にいるアシナガバチのなかで一番大きいことがあります。
このほかにもスズメバチにそっくりな「スズキハナアブ」や「カウシアブ」といったアブの仲間や「スカシバ」という蛾の仲間がいます。これらは、ハチではないので人を刺すことがありません。
スズメバチにそっくりな見た目をしている理由は、外敵から自分の身を守るためであることのようです。
スズメバチ属
オオスズメバチ、キイロスズメバチ、コダカスズメバチ、モンスズメバチ、ヒメスズメバチ、チャイロスズメバチ、ツマグロスズメバチ、ツマアカスズメバチ
クロスズメバチ属
クロスズメバチ、シダグロスズメバチ、ツヤクロスズメバチ、キオビオクロスズメバチ、ヤドリスズメバチ
オナガスズメバチ属
キオビアオナガスズメバチ、シロオビオナガスズメバチ、ニッポンオナガスズメバチ、ヤドリオナガスズメバチ
亜科や属というのは、生物を分類するために使われる単位です。亜科をさらに詳しく分類する単位として属があります。
オオスズメバチの見分け方
大きさは、はたらきバチ27~40mm、女王バチ40~45mmあり世界最大のハチです。頭部が黄色で胸部が黒色、腹部が黄色と黒色の縞模様があります。木の洞や土のなかの空洞に巣をつくり、他の昆虫を襲って食べます。
生息地域は、北海道から九州、種子島あたりまでです。オオスズメバチの性格は、とても攻撃的です。毒は、ハチのなかでも最も高く非常に危険なハチです。活動時期は、春から秋までで、特に夏の終わりから秋にかけて攻撃性が高くなります。
大人でも数匹のスズメバチに刺されると死亡してしまうおそれがあります。特に高齢者や幼児は、注意が必要です。
キイロスズメバチの見分け方
大きさは、はたらきバチ17~24mm、女王バチ25~28mmです。他のスズメバチに比べ黄色が強く、まだら模様があります。軒下や屋根裏などに丸いボールのような巣をつくります。巣が小さくなるとまた別の場所に移動して巣をつくります。
オオスズメバチと同じく、他の昆虫を襲って食べます。日本のあちこちに広く生息しています。性格はとても攻撃性が高いハチです。活動時期は、オオスズメバチと同じく春から秋までで、特に夏の終わりから秋にかけて攻撃性が高くなります。
クロスズメバチ属は7種類もいる!
クロスズメバチ属の大きさは、小ぶりで黒っぽい色に腹部に白や黄色の縞模様があるのが特徴です。地中に巣をつくるため、気がつかないことが多くあります。蛾の幼虫などを襲い食べます。
日本の山間部に広く生息しています。しかし人が住む地域では、巣をつくることがないため、見かけることは少ないでしょう。クロスズメ属のハチは、スズメバチの仲間ですが、他の生き物に食べられることがあります。
天敵は、クマ、鳥類のハチクマや同じ昆虫のオニヤンマやカマキリです。クロスズメバチ属のハチは、攻撃性は低いです。毒性も強くなく、蚊やブヨにかまれた程度の毒です。
しかし過去にハチに刺されたことのある場合はアナフィラキシーショックを起こしてしまうので注意が必要です。あごをカチカチ鳴らしたり羽を震わせて音をだしたりするのは、威嚇(いかく)をしている証拠です。
ハチを興奮させないように距離を取りましょう。
ヒメスズメバチの見分け方
大きさは、はたらきバチ、女王バチとも25~36mmで、オオスズメバチに次ぐ大きさのハチです。腹部に黄色と黒の縞模様があり、お尻が黒いのが特徴です。オオスズメバチとの見分け方は、腹部の先端が黒いのがヒメスズメバチです。巣は、木の上に作ります。
生息地は、本州から九州・沖縄までです。体も大きく、羽音も大きいため怖いと感じる人は多いですが、攻撃性は低くスズメバチの仲間で最もおとなしいハチです。巣を刺激しなければ、いきなり攻撃をしてくることはないでしょう。
コガタスズメバチの見分け方
大きさは、はたらきバチ22~28mm、女王バチ25~30mmです。腹部の黄色と黒の縞模様がはっきりしており、腹部の先端が黄色いのが特徴です。オオスズメバチに非常に似ているため、間違ってしまうことがよくあります。
木の枝や軒下に丸いボールのような巣をつくります。なかには物置の扉の隙間から侵入し、巣をつくることもあります。他の昆虫を襲って食べます。性格は、おとなしく攻撃性は低いハチですが、巣を刺激してしまうと一斉に攻撃をしてきます。
日本のあちこちで生息しており、山間部だけでなく住宅街で見かけることが多くあります。
モンスズメバチの見分け方
大きさは、はたらきバチ20~28mm、女王バチ28~30mmです。腹部は黄色と黒色の縞模様があり、お尻には波線のような縞模様があります。キイロスズメバチにとても似ていますが、見分けるときは、このお尻の模様をみるといいでしょう。
巣は天井裏や木の穴などに作ります。しかし、スズメバチの仲間であるチャイロスズメバチに巣を乗っ取られてしまうこともあります。自分より大きな昆虫を襲って食べることもあります。
他のスズメバチは、暗くなると活動をしなくなるのですが、このモンスズメバチだけは、が夕方でも活動をすることができます。生息は世界中で、日本でも北海道から九州まで広く生息しています。
チャイロスズメバチの見分け方
大きさは、はたらきバチ17~27mm、女王バチ28~30mmです。このハチは、頭部と胸部が茶色、腹部が黒色で他のスズメバチとは全く違う色をしています。そのため、すぐに見分けることができます。
巣は自分で作るのではなく「社会寄生」といわれる習性があります。
社会寄生とは、キイロスズメバチやモンスズメバチの巣を襲い、女王バチを刺して殺し巣を乗っ取ります。本来の巣の持ち主であったハチの幼虫を育て成虫になるとはたらきバチとして扱います。
食べ物は、バッタやクモなどの昆虫を襲って食べます。
人に対する攻撃性も高く、危険なハチです。巣に近づくだけでも群れで頭上を飛び回り威嚇をします。北海道から本州の中部地方より北方の地域に生息していますが、数は多くありません。
ツマグロスズメバチの見分け方
大きさは、はたらきバチ20~22mm、女王バチ25~28mmです。頭部と胸部が茶色で腹部の半分が黄色という少し変わった模様をしています。
木の枝や草むらなど比較的低い場所に巣をつくります。巣に近づいても周りを飛び回るなど威嚇行動はしません。しかし巣を攻撃させた場合の反撃場合は、強く攻撃してきます。
さまざま昆虫を襲って食べます。生息は沖縄県や宮古島など南国だけに限られています。活動時期は春から初冬までと長期間にわたります。
ツマアカスズメバチの見分け方
大きさは、はたらきバチ17~27mm、女王バチ28~30mmです。体全体が黒く腹部の先だけオレンジ色をしています。巣の作り始めは、地中や低い木の茂みに巣をつくり、巣が大きくなると高い木に巣をつくります。
都市部にも生息しており高層マンションの壁に巣をつくることもあります。さまざま昆虫を襲って食べます。非常に攻撃性が高く、しつこく追いかけて攻撃をします。2012年に長崎県で日本で初めて発見された外来種です。
その後多くの巣が確認されたことから、日本に定着したものと考えられています。
ホオナガスズメバチ属は4種類
大きさは15~20mmぐらいで、小型のスズメバチです。ホンシュウキオビホオナガスズメバチ、キオビホオナガスズメバチ、シロオビホオナガスズメバチ、ヒッポンホオナガスズメバチの4種類がいます。
見分け方は、複眼と大顎が離れていること、頬が長いことです。山間部に生息しています。標高の高い山でも生息することができます。巣は、木の枝や建物の軒下など雨風があたらない場所を選んで作ります。攻撃性が高く、巣に近づくと攻撃してきます。
どの種類のスズメバチでも、キケンを感じたら対策を!
スズメバチが危険な理由は、攻撃性と毒性だけでなく人を刺すということです。実は、攻撃性が高いのは、スズメバチの仲間だけではありません。アシナガバチもスズメバチ同様に攻撃性が高く、気をつけなくてはいけないハチです。
見かけたら刺激を与えないようにしましょう。ハチが人を攻撃対象と認識すると、毒針を刺そうと襲ってきます。何匹かのハチに同時に刺されてしまうと、毒による害により全身に症状が出ます。
毒の量によっては死亡してしまうこともあります。さらに注意しなければならないのが、アレルギーです。これは毒の量に関わらず起きてしまいます。ハチにより死亡例の多くは、このアレルギー作用によるものです。
もしハチが作りかけの巣を見つけた場合、小さい巣であっても自身で駆除するのは、危険です。その理由は、スズメバチもアシナガバチも集団で行動するからです。ハチが危険を感じると仲間に信号を出します。その信号を感知し、仲間が応援に駆けつけて一斉に攻撃をしてくるからです。
予防策として、ハチが巣をつくらないように、活動が活発になる春先までに、物置などに隙間がある場合は、塞ぐ、軒下などには忌避剤を散布するということも有効です。
しかしすでにハチの巣がある場合は、うかつに手を出すのは危険です。巣を見つけたら、手を出さず、なるべく早くプロに相談してみましょう。駆除にかかる料金は、場所や巣の大きさによって違いがあります。
依頼する前に、比較サイトを使用して、まずは地域の相場がいくらなのかを調べてみましょう。そして納得のできる業者に依頼しましょう。
まとめ
いかがでしたか?スズメバチの種類は、スズメバチ属、クロスズメバチ属、オナガスズメバチ属の3つの属があります。合計すると10種類以上のスズメバチの仲間がいるのです。このなかでもオオスズメバチが最も危険なハチといってもいいでしょう。
なぜなら攻撃性が高く、持っている毒も強いからです。またキイロスズメバチも同様に注意が必要です。また見た目はオオスズメバチにそっくりなコガタスズメバチというハチもいます。しかし性格はオオスズメバチのように攻撃性が高くありません。
巣をつくる場所は、土の中や軒下、山間部などさまざまです。巣が小さくなったら、移動しまた大きな巣をつくるという習性を持ったハチもいます。
なかには、自分で巣をつくるのではなく。他のハチの巣を襲い乗っ取ってしまうという習性を持つハチもいます。どのハチも巣に対しては非常に神経質で、どんなにおとなしい性格のハチであっても、自分たちの巣を攻撃されると思うと集団で襲ってきます。
ハチには毒針があり、刺されると毒によって死亡してしまうこともあります。日本でもハチに刺されたことによる死亡例は多くあります。どんなに小さくてもハチの巣を駆除するには、プロに任せることがおすすめします。
なぜなら巣を攻撃されたと認識し集団で襲ってくる可能性があるからです。業者に依頼するときは、まずは比較サイトで料金を調べてみましょう。そして納得のできる業者に依頼するとよいでしょう。
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