スズメバチ|アナフィラキシーショックの症状・危険性・正しい対処法
夏から秋にかけて、屋外での活動が多くなる季節には、蜂刺されによる事故に気をつける必要があります。蜂刺されは「2度刺されると蜂毒によるアレルギー症状がでて命にかかわることもある」といわれている怖いものです。
とくにスズメバチはアナフィラキシーショックを引き起こし、死にいたる可能性が高い厄介な蜂です。スズメバチは毒性の高い針をもつため、初めて刺された場合でも危険性が高く、十分注意が必要となります。
この記事では、蜂刺されによるアナフィラキシーショック症状について解説しています。また、スズメバチなどの危険な蜂から身を守る方法などについても掲載していますので参考にしてください。
目次
アナフィラキシーショックの症状
蜂に2度刺されたときにもっとも注意しなければいけないのが、アナフィラキシーです。アナフィラキシーとは、数十分という極めて短い時間でアレルギー症状が全身で起こってしまうことをさします。
アナフィラキシーでは皮膚や消化器、呼吸器、循環器、神経などのさまざまな臓器に強いアレルギー症状があらわれます。
たとえば小麦粉アレルギーの人が誤って小麦粉を食べてしまった際に、以下のような複数のアレルギー症状がでてしまうことをアナフィラキシーとよびます。
- 全身の発疹やむくみがでる
- 気道が狭くなり喘息のようなゼーゼーといった呼吸をして息が苦しい
- 吐き気や嘔吐がある
- 脈が乱れる
そして、そのなかでも意識障害や血圧の低下などのショック症状を伴う状態を「アナフィラキシーショック」とよびます。このような症状がある場合は命にかかわる危険性があります。早急に医師の診断を仰ぎ、治療をおこなわなければなりません。
とくに蜂毒は、刺されたからアレルギー症状がでるまでの時間が15分以内と短いのが特徴です。さらにアナフィラキシーの症状からでてから心停止までは15分という報告もあり、一刻も早い治療が必要となります。
アナフィラキシーショックを発症する原因
アナフィラキシーショックを引き起こす原因はアレルギーです。アレルギーは体のなかの「免疫」が過剰に反応することによって引き起こされています。
免疫とは我々の体が外部からのウィルスや細菌に対して、「抗体」とよばれる物質を作り出して攻撃する働きのことをいいます。もちろんこの反応は蜂に刺されたときも起こっています。
初めて刺されたときにはこの「抗体」が体のなかで作られていないため、過剰なアレルギー反応は起こらないとされています。
しかし、2回目以降になると蜂毒に対してのアレルギー反応が起こり、過剰になるとアナフィラキシーショックを引き起こしてしまうのです。
ちがう種類の蜂に刺された場合
スギによる花粉症の人が、桜や稲などのほかの花粉に対して症状をださないように、アレルギー反応は特定の物質に触れなければ症状はでないものです。
そのため、アシナガバチとスズメバチなど「ちがう種類の蜂に刺されたなら大丈夫」と思いがちですが、そうではありません。蜂毒は蜂の種類が異なっても、似た成分をもつものもいるのです。たとえばスズメバチ類とアシナガバチ類の毒の成分は似ています。
つまり、スズメバチに刺された経験がある人は、初めてアシナガバチに刺されたときでもアナフィラキシー症状を生じる可能性があるのです。
アナフィラキシーへの備え
アナフィラキシーショックは命の危険のあるおそろしい症状です。蜂に刺された際に患部以外に発疹や浮腫などの症状がでているなら、医師に相談してみましょう。医療機関ならアレルギーテストやリスクなどを調べることができます。
万が一蜂に刺されたときには、症状が軽くても、医療機関で診察しておくことをおすすめします。蜂毒に対するアレルギー反応は個人差が大きく刺されてから1~2日をかけて、発赤や腫れを生じさせることがあるため、注意しておきましょう。
蜂に刺されないための対策
刺されると怖いスズメバチですが、ちょっとした工夫で刺される可能性を低くすることができます。詳しい対策についてご説明しますので、ハイキングなどで自然のなかにいく機会のある人は参考にしてみてください。
【1】黒っぽいものを身につけない
スズメバチは黒色を見つけると攻撃行動をとることが知られています。一説によるとスズメバチを捕食する熊などが黒に近い色をしているから、敵の色だと判別し攻撃をおこなうともいわれています。日本人の髪の毛も黒色が多いため、森や林のなかに入るときには帽子をかぶり隠すようにしましょう。
【2】香りのするものを身につけない
香水などの匂いのなかには、スズメバチが仲間をよぶ際に使用する警報フェロモンと同じ成分が含まれていることがあります。強い匂いはスズメバチを刺激してしまうため、香水はつけないようにしましょう。
【3】音や振動に気をつける
スズメバチは巣から10メートル以内に近づいてくるものに対して、周囲を飛び回り威嚇してきます。近くを飛んでいて「カチカチ」という音が聞こえてきたら注意してください。この音はスズメバチが最後の警告をしているサインです。
そのまま巣に近づくと仲間を呼び寄せ集団で攻撃してきますので、すぐさまその場を離れるようにしてください。
また、スズメバチが巣を作っている枝を揺らしてしまうと、スズメバチは攻撃をされたと思い襲ってきます。誤って巣に近づいたとしても不用意に巣を揺らさないように気をつけましょう。
蜂に攻撃されそうになったときの正しい逃げ方
スズメバチが自分の周りを飛び回っているときには、その場にゆっくりとしゃがみ、低い姿勢のままその場を離れてください。スズメバチの威嚇行動は巣を守るためのものですので、巣から離れれば自然と刺される危険性は少なくなります。
蜂の巣は早めに退治しよう
このようにスズメバチはアナフィラキシーショックを引きおこす可能性も高く、刺されると命の危険もある大変怖い蜂です。もっともスズメバチが攻撃的になるのは夏から秋にかけての時期になります。その時期に、庭や物置などの生活圏でスズメバチなどの攻撃性の高い蜂を見かけたら、早めに駆除をおこないましょう。
しかし、駆除作業はスズメバチなどに刺される可能性のある危険な作業です。巣が大きい、高い場所にあるなど、ご自身での対応が難しい場合はプロに任せて、安全に巣を取り除きましょう。
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