スズメバチの天敵一覧|女王バチも巣を捨て逃げ去る?…最強の敵とは
強力な毒を持つ害虫として恐れられるスズメバチですが、じつは自然の中にはスズメバチの天敵が案外多くいるものです。「それなら、天敵になる生物を飼っていればスズメバチ予防になるのでは」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、天敵を利用してスズメバチ予防をするのはきわめて難しいことだといえるでしょう。なぜなら、スズメバチの天敵となる生物はどれも、飼うことが難しかったり、多くのスズメバチを駆逐できるほどの能力はなかったりするためです。
今回は「スズメバチを食べてしまう生物」「お互いに捕食する関係にある生物」「スズメバチに寄生する生物」にわけて、スズメバチの天敵をご紹介していきます。ただし、もし目の前にスズメバチがあらわれた際は、天敵を利用するのではなく、業者を呼ぶなど、別の方法で駆除や予防をおこなうようにしてください。
目次
スズメバチを食べてしまう生物
自然の中には、スズメバチの持つ毒や攻撃性をもろともせず、スズメバチを一方的に捕食してしまう生物がいます。まずは「スズメバチを捕食するもの」についていくつか見ていきましょう。
クマ
有名なアニメでのイメージが強い方も多いかもしれませんが、野生のクマはそのイメージ通りにハチミツを好みます。ただし、クマはハチミツだけでなくハチ自体も狙っており、巣全体を捕食対象としているのです。
スズメバチも当然襲われた際には毒針で抵抗しますが、クマの厚い皮膚や硬い毛は毒針を通すことはなく、気にせず巣を壊して食べてしまいます。
ハチを好物として圧倒的な力で巣を荒らしてしまうクマは、スズメバチがとくに恐れている天敵といえるでしょう。スズメバチを駆除する際は黒い服を着てはいけないとされますが、これはクマの体色に対して反応しているといわれているほどです。
ニワトリ、ハチクマ
家畜として飼われているニワトリは食べやすく栄養が豊富なエサをもらっているため、わざわざスズメバチを捕食することはありません。しかし、野生のニワトリはおもに昆虫を捕食対象としており、その食べ物の中にはスズメバチも含まれているのです。
また、おなじ鳥類の中にはスズメバチの巣を主食にしているハチクマというタカもいます。ハチクマは特殊なにおいを体から出しているといわれており、ハチクマが近づくとスズメバチは巣を残して一斉に逃げていきます。ハチクマもまた、スズメバチがとくに苦手とする相手だといえるでしょう。
クモ
クモは数多くの害虫を捕食対象とする、益虫としてよく知られている虫です。クモは粘性の強い糸を使った巣で飛び回る虫をとらえますが、ときにスズメバチも巣に引っかかって捕食されてしまうことがあります。ただし、大きな体で素早く飛ぶスズメバチは、巣を突き破ってしまうことも多くあります。
スズメバチとライバル関係にある生物
意外と捕食されることが多いスズメバチですが、彼らもまた、ほかの虫を食料とする肉食の虫です。スズメバチを捕食する虫の中には、自身もスズメバチに捕食されることがあり、ライバルのような関係にある虫も多くいます。ここでは「お互いに捕食する関係にある生物」について見ていきましょう。
オニヤンマ
オニヤンマは、大きな体、優れた飛行能力、肉食性といったスズメバチとの共通点を持っているトンボです。ほかの昆虫を捕食するのとおなじように、オニヤンマはスズメバチをとらえて捕食することがあります。ですが、スズメバチのほうもオニヤンマを捕食することがあり、お互いに天敵の関係にあるといえるでしょう。
オオカマキリ
カマキリの中でも大きな体と大きな鎌を持つオオカマキリは、スズメバチを抑え込んで、抵抗させる間もなく捕食してしまうことが可能です。しかし、自慢の鎌は空中からの攻撃にはうまく対応することができません。スズメバチが空から襲ってきた際には、反対になすすべなく捕食されてしまうのです。
ムシヒキアブ
アブに対して、スズメバチよりも強いイメージをお持ちの方は少ないかもしれません。たしかに、アブは正面からスズメバチに挑めば簡単に返り討ちにあってしまいますが、一部のアブは巧みにスズメバチを捕食しているのです。
ムシヒキアブは、スズメバチを捕食する巧みなアブの一種です。ムシヒキアブの特徴は、獲物の背後からの奇襲を得意としている点です。この奇襲を受けてしまうと、スズメバチであろうとひとたまりもありません。
スズメバチに寄生する生物
自然の中には、強い毒を体に持つスズメバチに対して寄生してしまうような生物もいます。ここからは、「スズメバチに寄生する生物」について見ていきましょう。
スズメバチネジレバネ
スズメバチネジレバネは幼虫のころに、樹液などを目当てに止まったスズメバチの体内に侵入して寄生する虫です。彼らの最も大きな特徴は、成虫になったオスとメスで、おなじ虫とは思えないほどかけ離れた見た目をしていることでしょう。
オスは成虫になると、よく見る昆虫らしい羽や足、触覚を持った姿でスズメバチの体の外へ飛び立つようになります。対してメスは、成虫になっても羽や足、目すらも持たず、芋虫のような姿のまま一生をスズメバチの体内で過ごします。
寄生されたスズメバチは殺されるわけではなく、むしろ通常のスズメバチよりも長い寿命を持つようになります。ただし、巣づくりやエサ探しなどの労働をおこなわず、スズメバチネジレバネの交尾や羽化のときがくるまで、ひたすら巣の中にこもるようになるのです。
チャイロスズメバチ
チャイロスズメバチは、ほかのスズメバチの巣を利用して群れを繁栄させるスズメバチです。チャイロスズメバチの女王はまず、モンスズメバチやキイロスズメバチの巣に侵入し、相手の女王を殺します。
巣を乗っ取られた働き蜂は、新たな女王が産んだ、別種の働き蜂を育てなければなりません。そうして、最終的にほかのスズメバチの巣であった場所には、チャイロスズメバチしかいなくなるのです。
カギバラバチ
カギバラバチは群れを持ちません。しかし彼らもまた、チャイロスズメバチとおなじようにスズメバチの巣を利用して繁殖をおこなう蜂です。カギバラバチの成虫は、スズメバチの幼虫のエサになるネムやヤナギの葉に対して、非常に小さいサイズの卵を大量に産み付けます。
産み付けられたものの一部ではありますが、極小の卵は噛み砕かれたりすることなく、スズメバチの幼虫の体内へ入ります。そこで卵は急成長し、スズメバチの幼虫の体を食い破って、カギバラバチの幼虫がふ化してくるのです。
ふ化したカギバラバチはその後、巣の中にいるほかの幼虫も次々と食べていき、やがて成虫に成長します。そうしてスズメバチの巣から巣立ち、また次の卵を産み付けていくのです。
スズメバチが最も恐れる天敵はヒト!
ここまでスズメバチを捕食するものや寄生するものなど、さまざまな天敵をご紹介してきました。しかし、スズメバチにとっての最大の天敵は、じつは私たち人間だといえるでしょう。
日本でも一部で見られますが、スズメバチを食用とする文化はアジア各国に広くあるものです。そうしてスズメバチが人間に捕食されてきた長い歴史があるのは、まずひとつの事実です。
また、スズメバチが人間の生活域に入ってきた場合、人間は巣を壊したり、殺虫剤を使用したりなどの対策をとります。自然の中でそこまで過剰な攻撃をしてくるような生物はいないため、スズメバチからすれば、それは思わぬ襲撃といえるでしょう。
とはいえ、危険な毒を持つスズメバチが繁殖している手前、私たちも何も対策をとらないわけにはいきません。スズメバチの天敵は多いものの、巣全体を駆逐されるようなことは少ないうえ、巣ごと捕食するクマなどは、それはそれで人間にとって危険な生物です。
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まとめ
非常に強い毒と攻撃性を持つスズメバチですが、一方的に捕食されてしまったり、寄生されてしまったりするようなことも多くあります。かといって、スズメバチの天敵を使ってスズメバチの駆除や予防ができるかといえば、それは難しいことでしょう。
もし目の前にスズメバチがあらわれた際には、群れが繁栄してしまう前に駆除業者の手を借りましょう。弊社では無料の作業お見積りから対応させていただいておりますので、ぜひ一度ご相談ください。
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