アシナガバチ駆除は女王蜂がカギ!特徴や見分け方・蜂の巣駆除方法も
女王蜂は1匹で巣を作りはじめ、すべての働き蜂たちを産みます。アシナガバチの対策や、駆除をしたいと考えたのであれば、女王蜂のことをまずは理解しておきましょう。ハチは女王蜂を中心に活動するので、女王蜂を知ることはハチの巣の仕組みを理解することにつながります。
このコラムでは、アシナガバチの女王蜂と働き蜂との見た目の違いや、生態についてご紹介します。また、巣を見つけたときに便利な駆除の方法や、巣を作らせないための予防策についてもご紹介していきます。
目次
アシナガバチの女王蜂の生態と見分け方
集団で暮らし、社会性をもつ昆虫といわれるアシナガバチですが、そのなかでも女王蜂はほかの働き蜂とは違う特別な生態をもっています。ここでは、アシナガバチの女王蜂の生態や見分け方を解説します。
アシナガバチの女王蜂の生態と役割
針をもつハチはすべてメスの働き蜂ですが、同じメスでも女王蜂はひとつの群れに1匹しかいません。新しい女王蜂が生まれて一時的に2匹になることもありますが、新女王が生まれたあと、親の女王蜂は夏ごろに死んでしまいます。特別なメスの1匹だけが女王になれるのです。
女王蜂の役割は、初期の巣を作ることと卵を産むことです。巣の中にメスは多くいますが、女王蜂だけが卵を産みます。そして、女王蜂は1匹から始まり、数百匹にもおよぶ群れへと立派な巣を築き上げていくのです。
女王蜂を見分ける方法
女王蜂は働き蜂などほかのハチと比べて大きいです。大きさが2倍以上になるものや、色が若干違う場合もあります。ただ、一回り大きいというだけでは見分けが難しいかもしれません。女王蜂は春に1匹で巣を作るので、巣作りを見かけたら女王蜂だと考えてよいでしょう。
アシナガバチの女王蜂の巣作り
続いて、アシナガバチの巣作りについて、1年間のスケジュールをみていきましょう。
【春】
アシナガバチの女王蜂の巣作りは、4月ごろから始まります。冬眠から目覚めた女王蜂は樹液などを摂取して体力をつけたあと、巣作りを始め、5月いっぱいまでは基本的に1匹で、巣の材料集めや巣作り、働き蜂の卵を産む作業などをこなします。徐々に巣は大きくなり、立派になったアシナガバチの巣は、六角形の小さなハチの部屋がいくつも集まりシャワーヘッドのような形になります。外殻はなく、いくつもの部屋がむき出しの状態です。
【夏】
夏になると、働き蜂たちが羽化します。女王蜂は産卵に集中し、ほかの作業を働き蜂に任せるようになります。そして、夏の終わりが近づくと、オス蜂と翌年女王蜂となるメス蜂が羽化するのです。
【秋】
秋になると、翌年女王蜂となるメス蜂が巣外を飛び回りフェロモンを放ってオス蜂と交尾をおこないます。交尾が終わったオス蜂は、冬に備えて越冬場所を探しに巣から旅立っていきます。残された女王蜂と働き蜂やオス蜂は越冬せず死に絶えるため、この時点でアシナガバチの女王蜂は一生を終えるのです。
【冬】
唯一越冬したメス蜂は、秋に見つけた越冬場所で翌年の春が来るまで冬眠します。そして、無事に越冬を終えると、新女王蜂として春に目覚めるのです。
繁殖期は非常に危険!早めに駆除しよう
アシナガバチは、春に女王蜂によって巣作りが始まり8月ごろに繁殖期をむかえます。このころ、非常に気が立っていて凶暴なため、巣に近づいただけでも攻撃してくるおそれがあるのです。
アシナガバチは、スズメバチのような俊敏な動きはせずゆっくりふらふらとした動き方をしますが、毒性は非常に強いです。なお、ハチによる死者数は2015年において日本全国で23人でした。この人数は、毒蛇などの死者数を大きく上回ります。とくに繁殖期にあるスズメバチには近づかず、巣を発見次第、駆除するようにしましょう。
安全に、早めに駆除するなら、ハチ駆除業者に依頼することがおすすめです。料金はかかりますが、安全性を考えるとそれに見合った価値があります。料金相場についてはこのコラムの後半でも詳しく説明していますが、より具体的に知りたい場合は、弊社にご相談ください。
アシナガバチの巣を駆除する方法
アシナガバチの巣を駆除するときにおすすめなのが、巣に女王蜂だけしかいない期間をねらう方法です。巣ができてから間もないころに作業すれば、比較的安全にすることができます。巣の駆除について、女王蜂だけのころに駆除する方法と、通常の巣を駆除する方法の、2とおりの手順をご紹介しましょう。
アシナガバチの巣の駆除は女王蜂がカギ!
女王蜂は巣の中心的存在だということをお伝えしました。女王蜂が巣の始まりを作り、働き蜂を産むのであれば、女王蜂を駆除してしまえばよいのです。そうすれば、巣も作られず、新しく働き蜂が生まれることもありません。
女王蜂の駆除に適した時期は春です。春は女王蜂が1匹で活動するときなので、1匹を駆除すればよいということになります。それでは、以下で駆除の方法をみてみましょう。
アシナガバチの巣の駆除方法
巣の駆除の前には必要な道具をそろえます。以下のとおりです。
- 殺虫スプレー
- マスク
- 軍手(数枚重ねる)
- 雨合羽または防護服
- ゴミ袋(2枚重ね)
- 赤いフィルムをかぶせた懐中電灯
これらの道具を用意します。懐中電灯に赤いフィルムをかぶせるのは、アシナガバチの目には赤い光が見えないため、照らしても気付かれにくくなるからです。道具類は役所からレンタルできることがあるので、事前に確認しておきましょう。
・女王蜂しかいないときの駆除方法
女王蜂しかいないころの巣は、ピンポン玉くらいのサイズです。このころの巣であれば、女王蜂が巣に帰って休む夜中に近づいて、20秒ほど殺虫スプレーをかければ駆除ができます。昼間のうちに巣の場所を確認し、夜に懐中電灯で照らしつつ近づいて駆除しましょう。駆除前にもう一度、ほかの蜂がいないかどうか、十分に確認してから駆除するようにしてください。
服装に関しては、殺虫スプレーから自分ののどを守るためにマスクを着用し、ハチの針から身を守るために軍手と雨合羽を着用してください。ハチの巣を素早く回収するときにすぐ手に取れるように、ゴミ袋も近くに置いておきましょう。
・働き蜂もいるときの駆除方法
雨合羽または防護服、2重以上つけた軍手、マスクを着用します。防護服は高価なので用意が難しいかもしれませんが、あったほうが安心です。自治体にもよりますが、役所でレンタルできる場合があるので、一度問い合わせてみましょう。
手には殺虫スプレーと懐中電灯をもちます。日没後の暗くなった時間帯に、巣から3メートルくらいの位置に近づき、巣の全体にあたるようにスプレーを噴射していきます。巣から1メートルくらいの位置に来て、スプレーが効いてハチがおおかたいなくなったら、巣を壊しましょう。
壊すときには長い棒やのこぎりがあったほうがいいです。巣を根元から落とし、すぐにゴミ袋に入れましょう。そのあと、ハチの死骸を片づけます。
アシナガバチの巣駆除の注意点
アシナガバチの駆除では、作業前から作業後まで注意してもらいたいことが数点あります。個人で対応できる巣の規模の限界や片づけ、服装の注意点などを確認しておきましょう。ここからは、準備前から片づけまで順番にみていきます。
準備での注意
準備の段階では巣の大きさを必ずチェックしましょう。巣が15センチ以上にもなると、働き蜂の数が多すぎて、駆除に慣れた人でなければ対応しきれない場合があります。15センチを基準として、小さいものならば自分でも駆除ができるという判断をしてください。
駆除作業時の注意
作業中にはニオイと服の色に注意してください。香水や柔軟剤などで甘い匂いを身にまとっていると、ハチがよってくることがあります。また、黒いものを身につけることは避けてください。服はできるだけ白のものを選び、黒髪であればタオルなどで隠しましょう。
後片付けの注意
後片付けではハチの死骸を掃除することになります。ハチの針は死骸であっても毒があり、ゴミ袋に入れて処分しようとした際に、誤って触れてしまったり袋が破れたりして針が刺さります。死骸には直接触らず、軍手をして触るか、割り箸やほうきなどを使って処理してください。処分時は、何枚か重ねるとなお安心です。
また、駆除中に逃げ出したハチが、片づけのときに戻ってくることも考えられます。片づけが終わるまでは、駆除中の服装のままでいましょう。
蜂の巣をもっと安全に駆除する方法はないの?
アシナガバチの巣の駆除をするとき、安全を一番に考えるのならば、自分で駆除することはあまりおすすめできません。万が一、刺されてしまった場合、刺された箇所に腫れや痛みが起きたり、吐き気やめまいといった症状が起きたりするおそれがあります。
また、最悪の場合、アナフィラキシーショックと呼ばれるアレルギー症状を引き起こして、死に至る危険性もあるほどです。そのため、駆除業者に依頼するのがもっとも安全で、危険な作業を素早く確実に対処してもらえます。
ただ、駆除業者に依頼するときには料金がかかります。そこで、適正な価格のサービスを見つけ安心してお任せできる業者を見つけるためにも、まずは相場を知っておきましょう。以下でご紹介します。
蜂の巣駆除の費用相場
アシナガバチの巣を駆除する場合の費用相場は、12,000円ほどです。業者によって7,000円から20,000円ほどの幅で料金が設定されています。ただし、巣の場所や大きさなどによって費用が変わる業者もあります。
正確な費用について知りたいときは、各業者のウェブサイトで調べたり、見積りをとったりするとよいでしょう。ちなみに弊社がご紹介する業者では、現地調査からお見積りまでを無料でおこなうことができます。詳しい費用を知りたい方はご利用ください。
アシナガバチに巣を作らせない対策方法
巣の駆除は、道具をそろえて危険な作業をする必要があるので、とても大変な仕事です。そこで、あらかじめ巣を作らせない対策をしておけば、駆除という大仕事をしなくてもすみます。ここでは、巣を作らせないために知っておきたい4つの方法をお伝えします。
蜂は居心地のよい場所に巣を作る!
巣作り対策をする前に、巣が作られやすい頻発ポイントを押さえておきましょう。巣作りの対策はここで紹介する場所にほどこしていくとよいです。
- 軒下やひさしの下
- 窓枠
- ベランダ
- 庭木
- 室外機
- 屋根裏
- 床下
これをご覧になると、ほとんどどんな場所でも巣を作ってしまうようにも思えます。アシナガバチの巣は、ミツバチやスズメバチの巣ほど巨大化しないので、いろいろな場所に作ることができるのです。アシナガバチが居心地がよいと感じる場所は、乾燥しており、雨や風をしのげるところですので、居心地がよければ場所を選ばないということです。
対策方法1.蜂用の忌避剤スプレー
ホームセンターや薬局などにあるハチ用スプレーには、ハチを寄せ付けない忌避効果のあるものがあります。これをハチが好みそうな場所に散布しておけば、ハチの巣は作られません。スプレーは雨で流れることがあるので、定期的に吹きかけるようにしましょう。
対策方法2.水をまく
アシナガバチの巣は水にぬれると溶けてしまいます。そのため、湿気の多い場所はあまり巣作りにむきません。水をまくことで、巣を作ろうとするハチが避けたくなる環境を作りましょう。
水のまき方にとくに決まりはありませんが、床下など湿気がこもる場所にはまかないようにしましょう。家の建材を傷めてしまうおそれがあるからです。
対策方法3.ネットを張る
身体が細長いアシナガバチは、換気扇や通気口から内部に侵入することができます。このようなすき間を、目の細かいネットでふさいでおきましょう。
蜂に関する疑問や相談は信頼できるプロまで!
ハチの巣作りへの対策を万全にしておくことで駆除の手間を省けます。しかし、ハチ対策をしても巣ができてしまうときは、一度業者の駆除を受けてみるとよいかもしれません。いろいろなところにできた巣を駆除してきた業者であれば、対策のやり方についても詳しいはずです。業者によるアドバイスを受ければ、今後のハチ対策にいかせることでしょう。
弊社はハチ駆除の依頼を検討されている方からのご相談を承っております。相談は無料ですので、気軽にお電話からご利用ください。お待ちしております。
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