アシナガバチ駆除|ペットボトルのトラップ(罠)で自力駆除する方法
アシナガバチを除したいと思ったとき、実は自分の力で安全に蜂を駆除する方法があります。それはペットボトルトラップを使うという方法です。この罠を使うと、危険をおかさずに巣を作ろうとしている女王蜂を捕まえて殺すことができるでしょう。
この記事の中では、ペットボトルトラップの作り方はもちろん、トラップの使い方、状況別の対処法について解説いたします。この記事を読んで、アシナガバチの巣を安全に駆除しましょう。
目次
アシナガバチの女王をペットボトルで駆除する方法
アシナガバチの駆除には、ペットボトルを使ったトラップが有効です。このトラップは家の中にあるもので簡単に作れます。ここではペットボトルトラップのしくみや作り方について、わかりやすく説明していきます。
ペットボトルトラップのしくみ
最初に、「アシナガバチの女王蜂がどういうしくみでペットボトルトラップにかかるのか」について説明します。
- ペットボトルの中には蜂が好きなにおいを発するアルコールが入っている
- 蜂がにおいに誘われ、ペットボトルの側面に作った入り口から中に入る
- 蜂がアルコールの入った液におぼれる
- ペットボトルの内側には返しがあり、蜂は外には出られずおぼれ死ぬ
このようなしくみでアシナガバチを捕まえて殺すことができます。蜂に近づいて駆除するのは大変危険です。しかし、ペットボトルトラップを作れば、危険をおかすことなく女王蜂を駆除することができるのです。
ペットボトルトラップの作り方
続いて、ペットボトルトラップの作り方を解説していきます。家にある道具ですぐに用意することができるので、ぜひ参考にして作ってみてください。
・必要な道具
- 1リットルのペットボトル(丸型ではなく、四面体のペットボトルがよい)
- カッター
- 油性マジック
- ひも
- 焼酎もしくは日本酒
- お酢
- 砂糖
- 計量カップ
- スプーン
・手順
- ペットボトルの口付近のななめになっている箇所の下で、対になる側面の同じ高さのところに穴をあける。(ここにヒモを通して木にぶらさげる)
- ペットボトルの側面の真ん中よりすこし上の位置に、アルファベットの大文字Hを縦横1cmの大きさで油性ペンを使い書いておく
- マジックで書いた線に沿ってカッターで切る
- 上下がペラペラと動くはずなので、上半分を手前に折り、下半分はペットボトルの中に折りこむ
- 焼酎、お酢、砂糖を3:3:1の割合で混ぜる(焼酎180ml、お酢 60ml、砂糖60g)
- 誘引液をペットボトルに流し込み、フタを閉める
- 地面から2mくらいの高さのところで木や壁にぶらさげる
ペットボトルの側面に作った小窓で上半分はペットボトルの外に出るように折り、下半分は中に入れるように折ります。こうすることで、上半分が雨避けになり、下半分は返しになります。返しがあることで蜂が外に出ていけなくします。
ペットボトルトラップの設置方法
ペットボトルトラップを作ったら、そのトラップをどこに置くかが重要です。せっかく蜂を駆除できる効果的なトラップを作っても、蜂が来ない場所に置いてしまっては意味がありません。理想的な設置場所は、樹の枝の下、軒下などです。
家の庭に木がない場合や、吊るす場所がない場合は、脚立を立ててその上にトラップを置くという方法もあります。ペットボトルトラップを吊るしたり置いたりするときは、蜂が飛ぶ範囲である、地面から2mくらいの高さになるようにすると最も効果的です。
アシナガバチは基本的に常に天候の影響を受けないような場所で、雨が当たらないように巣を作る傾向にあります。アシナガバチは以下のような場所に巣を作ることが多いので、定期的にチェックしてみてください。
- 軒下や屋根の下
- ガレージや物置の中
- エアコンなどの室外機の内部
捕獲した後の注意点
ペットボトルトラップを設置して数日後に、蜂が入っているか確認しましょう。ハチが入っていた場合は、死んでいることを確認してから、ペットボトルの中の液体と蜂を分けて処理します。処理の順番について、説明していきます。
まず、ペットボトルの中にいる蜂が確実に死んでいることを確認しましょう。蜂が生きていても、勢いよく飛び出てくるおそれは極めて低いです。蜂はアルコール液で弱っているか、おぼれているはずだからです。
しかし、油断は禁物です。自分の安全のためにも、蜂が死んでいるかどうかはしっかり確認しましょう。
ペットボトル内の蜂が死んでいることを確認したら、蜂を取り出す作業をします。このときは、絶対に蜂を素手で触らないように注意してください。たとえ蜂が死んでいても、毒針を触ってしまうこともあるかもしれません。必ず軍手をして作業するようにしましょう。
- ペットボトルのフタを開ける
- ペットボトルの側面に作った小窓が上側になるように持ちながら液体を捨てる
- 蜂が一緒に流れでないように液体だけを捨てる
- 蜂を触らないようにしながら、小さいビニール袋などに入れる
- 蜂の入った袋は燃えるゴミとして出す
巣ができてしまったら
このペットボトルトラップは女王蜂が巣を作り始める前まではとても有効といえるでしょう。しかし、アシナガバチの巣ができてしまっているのを見つけたら、その先は自分で駆除するのは大変危険です。そのため、自分で駆除するのはおすすめできません。
巣が大きくなると、働き蜂が襲ってきて刺される危険性が高くなります。無理して自分で駆除しようとはせず、業者に依頼しましょう。
業者選びの際は、蜂の駆除お助け隊のサイトからフリーダイヤルへお電話ください。弊社から、お近くの業者をご紹介させていただきます。
アシナガバチの巣は自力で駆除できる?
アシナガバチの巣を自分で駆除するのはおすすめできませんが、駆除が不可能なわけではありません。しかし安全に駆除作業をおこなうためには、守るべき条件があります。
ここではその条件とはなにか、自分で駆除作業をするときの準備から実行まで、細かく解説していきます。
自力駆除できる条件
アシナガバチを自力で駆除することは可能ですが、必ず守るべき条件があります。それは、巣が完全にできあがる前に駆除をするということです。
もし巣が直径15cmくらいになっていたり、働き蜂が何匹か飛んでいるような状態だと、もう自分での駆除は危険です。絶対にやめておきましょう。
アシナガバチの女王は4月ごろになると、単体で巣を作るのに適した場所を探しにいきます。この時期であれば、まだ働き蜂がいないので、女王蜂を自力で駆除することができます。
蜂は毒針を持っていて人を刺すというイメージが強いかもしれませんが、それは働き蜂のことをさしています。女王蜂も毒針は持っていますが、働き蜂に比べて攻撃性が低く、人を攻撃してくることは少ないといわれています。よって、「女王蜂はいるが、まだ巣はできていない」という条件であれば自力での駆除が可能なのです。
アシナガバチ駆除の準備
アシナガバチを自分で駆除できる限度は、巣がまだ小さく作りかけの状態であることです。自分でも駆除できる状態であることを確認した上で、以下の手順で準備をし、細心の注意を払いながら駆除作業に取り掛かってください。
・準備するもの
- 防護服
- 長袖長ズボン
- ほうきとちりとり
- スプレータイプの殺虫剤
- 長い棒
- ゴミ袋
- 懐中電灯(蜂が比較的おとなしい夜に駆除作業するため)
- 赤いセロファン
- テープ
自分で蜂を駆除する場合は、肌を露出して刺されないように長袖長ズボンを着用すると安全です。また、防護服はネットで蜂駆除用の服を見つけることができます。
スプレータイプの殺虫剤を選ぶときは、蜂専用のものがあればそれを選びましょう。ボトルの側面にアシナガバチと記載があれば理想的です。もし売っていない場合は、合成ピレストロイド系のゴキブリやハエ用のスプレー式殺虫剤であれば代用できます。スプレー缶の成分表をみると確認できます。
合成ピレストロイドとは、ハエやゴキブリ駆除に使われる殺虫成分です。蜂はゴキブリやハエよりも殺虫剤に弱いので、ゴキブリやハエ用の殺虫剤でも蜂は殺すことができます。
また、懐中電灯にひと工夫するとよいでしょう。懐中電灯に赤いセロファンをピタッとかぶせ、テープで固定してください。
普通の光で蜂を照らすと蜂を刺激していまいますが、赤いライトであれば蜂を刺激することなく巣を照らすことができます。そのため、蜂に攻撃されるリスクをおさえることにつながります。
蜂は赤色のものをみても、それは灰色から黒色の間の色に見えているといわれています。そのため、夜に駆除作業をして、ライトの色を赤色にすることで、蜂は光に照らされていることに気づきにくくなるのです。
駆除の手順
準備ができたら、いざ蜂駆除作業を開始しましょう。なるべく安全なときに駆除作業をしたほうがよいので、深夜から早朝に作業をおこなうとよいでしょう。
人間が家に帰るように、蜂も夜には巣に戻ってきていますし、夜は活動もほとんどしません。夜に駆除をおこなうことで、昼に比べておとなしくなった蜂を確実に駆除することができます。蜂駆除作業は以下の手順で、細心の注意を払いながら丁寧におこなってください。
- 赤いセロファンを貼った懐中電灯で巣の位置を確認
- 巣のまわりに蜂がいないことを確認
- スプレーを30~60秒ほどしっかりと巣に吹きかける
- 蜂が死ぬまで5~10分離れた場所で待つ
- 長い棒で蜂の巣を落とす(心配であればここで再度スプレー噴射)
- 巣をゴミ袋に入れる
- 翌朝地面に落ちている蜂をほうきで集め、ゴミ袋に入れて終了
駆除するときの注意点
アシナガバチの巣を自分で駆除するときは安全を確保して、蜂に刺されないように細心の注意を払いましょう。繰り返しにはなりますが以下のことには十分気をつけましょう。
- 懐中電灯には赤いセロファンを貼って使用する
- 防護服を必ず着用する
- 死んでいる蜂でも絶対に素手で触らない
- スプレーをかけるときは巣全体にまんべんなく噴射する
こんな場合は業者に依頼しよう!
巣ができあがる前であれば、アシナガバチの自力駆除は可能だと説明しました。一方で、巣が大きくなりかけていて蜂が何匹か飛んでいることが確認できるような場合は、自力で駆除しようとはせず、業者に依頼しましょう。
4月後半からアシナガバチの女王は巣を作り始め、5月~8月になると巣が大きくなり、働き蜂の数もいっきに増えます。働き蜂は毒針を持ち、危険を感じたら攻撃してきます。巣の大きさにもよりますが、小さめの巣でも100~200匹の働き蜂がいると予想されます。
巣ができてしまったら、業者に依頼して安全に確実に巣を撤去してもらいましょう。業者選びでお困りの際は、蜂の巣駆除お助け隊をご利用ください。フリーダイヤルで、24時間365日ご相談を承っています。
ハチの巣駆除にかかる費用をおさえるポイント
業者に依頼してアシナガバチの巣を駆除してもらうには、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。依頼費用はどのように決まるのかなど、気になるポイントについて解説していきます。
【ポイント1】行政サービスでハチ駆除がないか確かめてみる
現在お住まいの市役所や保健センターなど行政のホームページを見ると、蜂駆除に関して情報が掲載されていることがあります。蜂を駆除したいと思ったときは、まず調べてみるとよいかもしれません。
実例をいくつか紹介します。群馬県の下仁田町では、町職員による蜂の巣駆除はおこなっておらず、その代わりに蜂駆除用品の貸し出しをおこなっているようです。また、巣駆除費用補助制度もありますが、下仁田町からの支援はスズメバチに限ると記載があります。
横浜市旭区では、高所用駆除器具と防護服を無料で貸し出しているようです。駆除器具に関しては、複数の異なる地域にある対象の薬局でお願いすれば借りられるようです。
このように地域によって内容は異なると思われますが、今お住いの行政サービスに蜂駆除や蜂駆除用品貸し出しなどがあるのかを調べてみるのもよいでしょう。
【ポイント2】なるべく小さいうちに業者へ依頼する
蜂の巣駆除を業者にお願いするときは、なるべく巣がまだ小さいうちに依頼しましょう。
蜂の巣駆除費用は、蜂の種類、巣の大きさ、巣の場所などによって大きく変動します。巣がまだ小さいときであれば、働き蜂もまだそんなに多くないはずなので、駆除作業の危険性も低くなります。そのため、費用をおさえることができます。
【ポイント3】数社見積り、業者を比較する
普段よく買う食料品や日用品であれば、ほかのお店の値段と比較して買うことが多いかもしれません。しかし、蜂の巣駆除にかかる費用は、日常的に目にする機会はほとんどないでしょう。なので、1社だけで業者を決めず、複数社から見積りをもらって見比べましょう。
蜂の巣駆除作業はとても危険な作業で、蜂の巣駆除業者の中には、駆除作業中に蜂に刺されて引退する人もいるほどです。危険な作業だけあって、業者に駆除作業を依頼するときの値段は固定ではなく、上で説明したような複数の条件によって変動します。
アシナガバチの巣駆除を業者に依頼するときの相場は、だいたい8,000円~22,000円と開きがあります。総合的な費用は、業者との電話連絡の中で状況を伝えた後や、現場確認のあとで決まることが多いようです。
繰り返しになりますが蜂の巣駆除作業は、危険な作業になるので、それぞれの業者によって値段がバラバラです。自分でいろいろ比較するのが大変、どの業者がよいのかわからないという場合には、蜂の巣駆除お助け隊をご活用ください。
アシナガバチ駆除の関連記事
- アシナガバチの駆除方法|巣の自力駆除に役立つ“3つ”のポイント
- アシナガバチ退治を自力でおこなうための駆除方法や注意点を解説!
- ヒメホソアシナガバチとは|危険な種類・巣の場所・駆除の必要性
- アシナガバチの巣の場所は開放的なところ!自力駆除についても解説
- 【キボシアシナガバチ】生態・危険性・蜂の巣の特徴など詳しく解説!
- アシナガバチの巣のある場所|撤去せず放置する危険性・駆除方法
- アシナガバチの餌はどんな食べ物?巣の対処法やスズメバチの餌など
- スズメバチの被害が多い時期は夏!被害を減らすための対策方法を解説
- アシナガバチは気温が高まる春から活動!その生態や対策法をご紹介
- アシナガバチの巣は食べ物があるからできる?巣をつくらせない対策