セグロアシナガバチの生態と毒性|巣を駆除する手順も解説します
セグロアシナガバチは名前からわかるとおり、アシナガバチの仲間です。普段よく目にするアシナガバチは、じつは温厚な性格で、こちらから刺激したり巣を攻撃したりしないかぎり、刺されてしまうことは滅多にありません。
ただし、セグロアシナガバチが、温厚な性格のアシナガバチの仲間だからといって安心はできません。セグロアシナガバチは、ほかのアシナガバチと比べて攻撃性が高く毒性も強い危険な蜂なのです。普段の生活で、セグロアシナガバチに遭遇してしまった場合、その生態を知っておかないと身に危険がふりかかることも考えられます。
この記事では、セグロアシナガバチの生態や巣をつくる場所、巣をつくられてしまった場合の対処方法などをご紹介します。この記事を最後までお読みいただくことで、セグロアシナガバチに遭遇してしまったとしても落ち着いて対処できるようになるでしょう。
目次
セグロアシナガバチってどんなハチ?
セグロアシナガバチはアシナガバチの仲間です。しかし、体長の大きさや毒性の強さなど、ほかのアシナガバチにはない特徴もあるのです。ここでは、セグロアシナガバチの基本的な生態や年間の活動サイクル、巣の特徴などを解説していきます。
セグロアシナガバチの基本生態
セグロアシナガバチは、その名前から連想できるように、背中が黒色であることが特徴です。そして、体長の大きさも特徴になります。セグロアシナガバチの大きさは、21~26mmほどで、日本にいるアシナガバチのなかでもっとも大きいものだからです。スズメバチとも見分けがつきづらいとまでいわれています。
また、アシナガバチ全体の基本生態として、攻撃性はあまり高くありません。そのため、巣に近づいたり巣を壊したりしないかぎり、攻撃されることはほとんどないのです。
ただし、セグロアシナガバチは、ほかのアシナガバチに比べて攻撃性が高い蜂になりますので、もし見かけたとしても近づかないほうがよいでしょう。
セグロアシナガバチの1年
ここからは、セグロアシナガバチの1年について、時期ごとにどういった活動をおこなうのか説明していきます。時期ごとに何をしているか把握することで、とくに気をつけるべきなのはいつごろなのかといったこともみえてくるため、ぜひ参考にしてください。
・4月~5月
セグロアシナガバチの女王バチが冬眠から目覚める時期です。目覚めた女王は、働きバチとなるハチの卵を産むために、巣をつくりはじめます。そして卵がふ化すると、女王バチ1匹でエサをあたえ、ふ化した幼虫をすべて育てるのです。
・8月~9月
この時期になると、ふ化した働きバチの活動が活発になりはじめます。そのため、ふだんの私たちの生活においても、蜂と出くわす機会が多くなるのです。
・9月末~10月
女王バチは、1年で命を落としてしまいます。そして、営巣活動が落ち着いたこの時期に、新しい女王バチが誕生します。
・11月初旬~11月中旬
新女王バチ以外の蜂が死んでしまいます。1匹残った女王バチは、冬を越す準備をはじめるのです。そのため、寒い冬を越すことのできる場所を求めて、巣を離れます。巣を離れた女王バチに遭遇したとしても刺激しないように気をつけましょう。
1年の活動サイクルのなかで、もっとも注意すべきなのは、8月~9月ごろになります。夏にあたるこの時期は、セグロアシナガバチの動きも活発になるからです。
セグロアシナガバチが巣をつくる場所
セグロアシナガバチが巣をつくる場所はさまざまです。しかし、巣をつくりやすい場所は決まっています。ご自宅の敷地内で、巣がつくられやすい場所は以下の3箇所です。
- 軒下
- 庭木などの枝
- 屋根裏
もし、すでにご自宅にセグロアシナガバチに巣をつくられてしまっているという方は、次の章で巣の駆除方法を解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。また、手の届かない場所や生活している場所のすぐ近くに巣がある場合は、危険性が高くなりますので業者に駆除を依頼することをご検討されてみてはいかがでしょうか。
巣の特徴は?スズメバチのものとの違い
ご自宅の近くでセグロアシナガバチが飛んでいても、体長が大きくスズメバチと見た目も似ているため、なかなかスズメバチと見分けがつきません。そんなときは、巣の特徴で見分けることが可能です。
・セグロアシナガバチの巣
セグロアシナガバチの巣は、円盤のような形をしています。そして、きれいな六角形をした穴が複数並んでいることが特徴です。巣の色は、灰色や灰褐色になります。
・スズメバチの巣
球体をしており、薄茶色のマーブル模様が特徴的なのが、スズメバチの巣です。巣への入り口はひとつしかありません。
セグロアシナガバチの毒性
セグロアシナガバチは、ほかのアシナガバチと比べて攻撃性が高いだけでなく、毒性も強いです。刺されたときに強い痛みがあることや、セグロアシナガバチに刺された死亡例があることから、スズメバチに匹敵するほどの強い毒性だといわれています。
そのため、普段の生活においてセグロアシナガバチをよく見かけるという方は、注意が必要です。近隣に巣がある可能性が考えられますので、巣を見つけたら、刺される前に業者に駆除を依頼するとよいでしょう。
また、弊社においても、蜂の巣駆除をうけたまわっております。ご依頼場所によっては、ご相談をいただいてから最短15分で、弊社に加盟しているプロのハチ駆除業者をお客様のもとへ伺わせていただいております。到着後もスピーディーな蜂の巣駆除を心がけておりますので、最短30分で駆除することも可能です。
ご自宅の回りを、セグロアシナガバチが飛んでいるのは危険な状態だといえますので、「どうしたらよいかわからない…」とお困りの方は、弊社までぜひご相談ください。
セグロアシナガバチの巣を自分で駆除する手順
セグロアシナガバチの巣は、後述する条件を満たしていれば自分で駆除することも可能です。ここでは、自力で駆除できる巣の条件や駆除方法などをご紹介します。自分で巣を駆除したいという方は、下記の条件を満たしているか確認し、手順に沿って巣を駆除しましょう。
自分で駆除できる条件を確認
セグロアシナガバチの巣を自分で駆除できるか判断するポイントは以下の2つです。
・巣の大きさが15cm以下
巣の大きさが15cm以下であれば、働きバチの数はあまり多くありません。そのため、比較的安全に駆除しやすいのです。ただし、15cmを超えるような大きな巣になると蜂の数が多く、刺されてしまう危険性が高くなるため、自分では駆除しないほうがよいでしょう。
・巣が手の届く場所にある
巣の大きさが15cm以下だったとしても、もう一点気をつけたいポイントがあります。それは、巣が手の届く範囲にあるかどうかです。巣が手の届く範囲にない場合、ハシゴなどを使う必要がありますが、身動きがとりづらくなってしまいます。
また、手の届かない位置にある蜂の巣は全体像も把握しづらく、安全に駆除することがむずかしいです。巣が高い場所にある場合は、自分での駆除は控えたほうがよいでしょう。
駆除する前にしっかり準備しよう
安全に蜂の巣を駆除するためには、事前の準備がもっとも重要です。蜂の巣の駆除をはじめる前に、まずは以下の道具を準備しましょう。
・殺虫スプレー
蜂の巣を駆除する前に、まず蜂を退治しなければなりません。蜂の巣駆除用の殺虫スプレーを準備しましょう。
・防護服
巣に近づいたり殺虫スプレーを使ったりすると、蜂が攻撃してくることがあります。先述したとおり、セグロアシナガバチは攻撃性が高く毒性も強いため、刺されないように防護服で身を守りましょう。
・剪定バサミと袋
蜂を退治したあと、巣を回収するときに使います。
・懐中電灯
後述しますが、蜂の巣駆除は夜間におこないます。そこで、視界を確保するために懐中電灯を準備します。懐中電灯には、赤いセロハンを張っておきましょう。強い光は蜂を刺激してしまうため、懐中電灯に赤いセロハンを張って、光の刺激を弱めておきます。
駆除スタートから巣の回収までの流れ
蜂の巣駆除の準備が整ったら、身の安全に気をつけて駆除をしましょう。
・蜂の巣を駆除する時間帯に気をつける
セグロアシナガバチは、日中は巣の外で活動しています。そのため、活動を終えて、蜂が巣に戻っている夜間に駆除をするようにしましょう。
・蜂を退治する
蜂を退治するために、殺虫スプレーを蜂の巣に噴射します。風下から噴射してしまうと殺虫スプレーが巣に届きにくくなってしまいますので、必ず風上から噴射するように気をつけましょう。巣から飛び立つ蜂に圧倒されて、ひるんでしまうかもしれませんが、ぐっとこらえて20秒~30秒ほど噴射しつづけます。
・蜂の巣を回収する
蜂の退治が終わったら、巣の回収です。剪定バサミを使い、巣を根元から切り落とします。夜間に駆除をおこなっているとはいえ、巣にいなかった蜂が戻ってくることも考えられます。そのため、最後まで気を抜かないように注意しましょう。
アシナガバチは生まれた巣を覚えている
アシナガバチは自分が生まれた場所を覚えています。そして、生き残った蜂がいれば、再び同じ場所に巣をつくりはじめてしまうという習性があるのです。蜂の巣をもう一度つくられてしまっては、危険をおかした駆除作業が無駄になってしまいます。
そのため、蜂の巣を回収したあと、巣があった場所に10秒ほど殺虫スプレーをかけておきましょう。こうすることで、万が一、セグロアシナガバチに生き残りがいたとしても、散布しておいた殺虫スプレーが蜂を退治してくれます。
アシナガバチの巣はしっかり駆除することが大切
ここまでお読みの方で、蜂の巣を自分で駆除することは大変そうだと感じられた方もいるのではないでしょうか。しかし、セグロアシナガバチの巣を駆除せず放置してしまうと、今よりも悪い状況に陥ってしまうことがあるのです。
セグロアシナガバチには、ヒメスズメバチという天敵が存在します。このヒメスズメバチは、セグロアシナガバチよりも凶暴な蜂です。ヒメスズメバチは、セグロアシナガバチの幼虫やサナギを好んで食べますので、放置しておいたセグロアシナガバチの巣に近寄ってきてしまうのです。ご自宅の付近をスズメバチが飛んでいると、蜂に刺されてしまうリスクは格段にあがってしまうでしょう。
また、蜂の巣を放置しておくデメリットはそれだけではありません。巣の放置をしつづけると、徐々に蜂の巣が大きくなっていくことがあります。巣の大きさに比例して、周囲を飛び回る蜂の数も増えるため、時間の経過とともに駆除することがむずかしくなるのです。
このように、蜂の巣を放置しておくと、危険性や駆除の難易度が高まってしまいますので、早め早めに対策していくことが重要になります。もし、ご自身で蜂の巣駆除をすることが不安な方は、一度業者にご相談されてみてはいかがでしょうか。
弊社では24時間365日、無料でご相談をうけたまわっております。深夜・早朝でもご遠慮なくご相談ください。調査やお見積りについても無料で対応いたしておりますので、危険な状態をおひとりで抱え込むのは控えて、ぜひご自身の安全を確保してみてはいかがでしょうか。
そっくり?キアシナガバチである可能性に注意!
セグロアシナガバチにそっくりな蜂に、キアシナガバチという種がいます。こちらのキアシナガバチも、セグロアシナガバチと同様に危険性が高い蜂になりますので、特徴をしっかりと確認していきましょう。
スズメバチに匹敵!?キアシナガバチの特徴
セグロアシナガバチと同じように、キアシナガバチもスズメバチに匹敵するほどの強い毒性があるといわれています。刺されてしまうと赤く腫れあがり、次第に激しいかゆみに襲われます。
また、激しいかゆみだけでなく、アナフィラキシーショックというアレルギー反応を引き起こすおそれもあるのです。最悪の場合、人を死に至らせることもあるため、近づかないように注意が必要になります。
セグロアシナガバチとの見分け方は?
キアシナガバチの大きさは、20mm~26mmです。セグロアシナガバチの大きさが21mm~26mmのため、大きさだけで両者を見分けることは、なかなかできません。
カラダの色は、セグロアシナガバチよりもキアシナガバチのほうが、黄色が濃く目立ちます。また、腹部に黄色い縦のラインが2本入っているのも特徴です。そのため、よく観察すれば見分けることができますが、2匹を並べて比べないとなかなか見分けがつかないほど酷似しているといえるでしょう。
どちらかわからない場合は厳戒態勢を……!
セグロアシナガバチもキアシナガバチも見た目が非常に似ているため、なかなか見分けがつきません。しかし、どちらも高い攻撃性と、スズメバチに匹敵するほどの強い毒をもっています。そのため、どちらの蜂だったとしてもあまり近づかないように気をつけましょう。
万が一、蜂や蜂の巣の存在に気がつかずに近づいてしまった場合は、蜂を刺激しないようにゆっくりと後ずさりします。出くわした蜂の巣を放置しておくと先述したとおり、蜂の数が増えてしまったり、ヒメスズメバチが近寄ってきてしまったりと、状況は次第に悪化します。
そのため、早め早めの駆除を心がけましょう。蜂の巣駆除を業者に依頼した場合、巣がある場所や大きさ、蜂の種類によって、料金が数千円から数万円変わる可能性があります。
巣がまだ小さい早い段階で、駆除を業者に依頼することができれば、蜂に刺されてしまうリスクだけでなく、費用も低く抑えることができるのです。
弊社の場合、セグロアシナガバチの駆除は、基本的には出張費込みで「8,800円(税込)~」うけたまわっております。また、正確な金額のお見積りについては、現地にお伺いし実際に蜂の巣を確認したうえでご案内しております。
お見積り後のキャンセル料や、お見積り後に追加費用が発生することはありませんので、ご安心ください。蜂の巣に困っていて、駆除をお願いしたいと考えていても「高い費用を請求されてしまうのではないかな……」とご不安な方は、ぜひ一度弊社までご相談ください。
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