アシナガバチの生態|女王蜂・働き蜂・雄蜂の一生や危険性について
最近、庭で飛んでいるアシナガバチを見かける方も多いのではないでしょうか。アシナガバチはおとなしい蜂とされていますが、時期によっては危険な蜂に変貌するのです。そうなれば刺されてしまう危険性も高まります。
アシナガバチは、スズメバチやミツバチとは違った生態を持っている蜂なのです。危険を防ぐためにも、アシナガバチの生態を知っておきましょう。この記事では、そんなアシナガバチの生態について紹介します。この記事を読んで、危険な時期のアシナガバチについても知っておきましょう。
目次
アシナガバチの生態と活動時期
春から夏にかけて見かけることの多いアシナガバチですが、ほかの蜂と異なる形や生態を持っています。アシナガバチの生態について、見ていきましょう。
アシナガバチってどんな見た目?
アシナガバチは、ほかの蜂に比べて細長い体を持つ体長2.6cmほどの蜂です。体の色は、黒と明るめの黄色で構成されています。そして、アシナガバチの最大の特徴は、長い後ろ脚でしょう。アシナガバチは、長い後ろ脚をだらりと伸ばしながら、ふわふわゆったりと飛びます。
刺されると大変!アシナガバチの危険性
アシナガバチは、基本的にはおとなしい蜂だといわれています。そのため、巣に近づかなければ刺してくることはほとんどありません。しかし、アシナガバチの活動期に不用意に巣に近づいたり、駆除しようと殺虫スプレーなどを拭きかけたりすれば、人間に向かって攻撃してきます。
アシナガバチは毒性も高く、刺されるとアレルギー症状などを引き起こすおそれがあるので注意しましょう。
アシナガバチが活動する時期
アシナガバチがもっと活発になるのが、6~8月といわれています。この時期は、巣が完成して女王蜂が繁殖行動をおこなう時期にあたります。そのため、不用意に巣に近づこうとすれば、敵と判断され攻撃されてしまいます。6~8月のアシナガバチの巣はとても危険なので、くれぐれも近づかないようにしましょう。
アシナガバチの一生【女王蜂・働き蜂・雄蜂】
アシナガバチには、女王蜂・働き蜂・雄蜂という階級があり、それぞれ寿命や役割が違います。それぞれの階級の一生について、見ていきましょう。
女王蜂の一生
アシナガバチの女王蜂の寿命は、1年とされています。寒い時期に冬眠していた女王蜂は、春になると目覚めます。冬眠から目覚めた女王蜂は体力があまりない状態なので、花の蜜などを食料として、力をつけます。体力を取り戻した女王蜂は、1匹で新たな巣を作り始めます。
小さな巣ができあがったら、卵を産み働き蜂に育てあげます。数匹の働き蜂が育ったら、女王蜂は子育てや巣の拡大を働き蜂に託し、自身は卵を産むことだけに集中します。秋になると、今まで働き蜂ばかり生んでいた女王蜂が次の世代の女王蜂を生もうとします。次世代の女王蜂が成虫になると、新たな巣を作るために雄蜂を連れて巣を離れます。
そして、役目が終わった女王蜂は死んでしまうのです。新たに誕生した次世代の女王蜂は、雄蜂と交尾をし、寒い冬は暖かく雨風が凌げる石の間や枯れ葉の下などに身を潜めて冬眠するのです。
働き蜂の一生
働き蜂のほとんどは雌で構成されており、寿命は非常に短く、基本的に1~2か月程度 とされています。働き蜂は生まれてすぐ、巣にいる幼虫の子育てに取りかかります。その後は子育てに加え、エサの採取や巣作りといった仕事も兼任するようになるのです。
働き蜂は寿命の数か月間を、子育て・餌の採取・巣作りにささげるのです。秋になり、次世代の女王蜂が巣立ちする際には、残った働き蜂も一緒についていきますが、寒い冬を越すことができず死んでしまいます。
雄蜂の一生
働き蜂の中で0.5~1%ほどの割合で雄蜂が生まれます。雄蜂の寿命は、およそ3~4カ月とされています。雄蜂は雌の働き蜂のようにせっせと働くわけではなく、繁殖行動をおこなうといった役割しか持っていません。
そのため、外に出ることもほとんどなく雌の働き蜂が持ってきたエサを食べ、悠々自適に暮らします。秋になると次世代の女王蜂とともに旅立ちますが、交尾が終わるとそのまま死んでしまいます。
アシナガバチはこんなところに巣を作る!
アシナガバチの巣は、ほかのスズメバチやミツバチとの巣とは全く違う形や大きさをしています。また、巣を作る場所も異なります。不用意に巣に近づかないようにするためにも、アシナガバチの巣の外見や特徴について知っておきましょう。
アシナガバチが作る巣の特徴
アシナガバチの巣は、お椀をひっくり返したような形をしています。また、丸い筒状の巣穴がいくつも密集し露出しているのが特徴です。そのため、近くから見ればアシナガバチが巣に止まる姿も確認できるでしょう。巣の大きさも最大で15cmほどとあまり大きくありません。
アシナガバチの巣ができやすい場所
アシナガバチは、ベランダや軒下、エアコンの室外機など雨風が凌げる場所を選んで巣を作る傾向があります。また、あまり人気のないもの置き場も、ドアの隙間から侵入して中に巣を作ってしまうこともあります。
基本的には開けた場所に巣を作るアシナガバチなので巣を発見しやすいかもしれませんが、 うっかり近づいてしまったときは、蜂を刺激しないように静かに離れるようにしましょう。
アシナガバチの巣は自分で駆除できる?
アシナガバチの巣が自宅にできてしまった場合、自分で駆除できないかと考える方もいるでしょう。アシナガバチの巣が小さいうちであれば、自分で駆除することも可能です。しかし、万全の準備をおこない的確な方法を取らなければ危険な作業になることを覚えておきましょう。
アシナガバチの巣を自分で駆除するのは危険!プロにまかせよう
アシナガバチの巣は、女王蜂1匹で巣を作っている段階の小さなものであれば自分で駆除することもできます。しかし、巣が15cmほどまで大きくなっていて活動期に入っているアシナガバチは攻撃性が非常に高く危険です。安易に殺虫スプレーなどで駆除しようとすれば、返り討ちに遭ってしまうでしょう。
また、服の隙間から侵入してきて刺されてしまうおそれもあります。何度も刺されれば、アレルギー症状を引き起こし最悪死に至ることもあるのです。「アシナガバチの駆除は怖い……」「駆除作業を自分でおこなうのは少し不安」という方は、蜂の駆除業者に依頼することをおすすめします。
蜂駆除業者は、あらゆる蜂の知識や対策法などを熟知しています。プロの手を借りれば、安全にアシナガバチの巣を取り除くことができるでしょう。
業者に依頼したときにかかる費用相場
アシナガバチの巣の駆除を業者に依頼したときにかかる費用相場は、およそ7,500~22,000円です。蜂の巣の駆除は、巣が大きくなっている場合は、費用も高くなる傾向にあります。
また、巣が2階以上の高い位置にある場合は高所作業になるため、高所作業車などを使用する場合があります。このように作業しにくい場所に巣を作っている場合も、費用が高くなることが考えられます。
正確な費用を知るには、業者から見積りを取ることをおすすめします。業者は現地に出向き、巣の状態や大きさ、場所などを確認したうえで見積りを出してくれます。見積りをみれば料金だけでなく、どんな駆除方法をおこなうかも知ることができるのでまずは見積りを取ることから始めてみましょう。
よりよい業者の選び方
蜂駆除業者に依頼すると決めても、いざとなるとどんな業者に依頼してよいのかわからない方も多いでしょう。よりよい業者の選び方として挙げられるのは、アフターフォローがしっかりした業者を選ぶということです。
蜂の巣は1度駆除しても、数日後に蜂が戻ってくる戻り蜂といった現象が起こることがあります。そうすればせっかく駆除してもらったのに、再び巣を作られてしまうかもしれません。アフターフォローがしっかりしている業者であれば、そんな戻り蜂現象も無料で対処してくれるでしょう。
また、複数の業者から見積りを取るのも業者選びのコツです。料金や駆除の仕方は、業者によってさまざまなのです。そのため複数の業者から見積りを取れば、料金や作業内容を比較しながら選ぶことができます。そうすれば、要望に合った業者を選ぶことができるでしょう。
弊社では、無料で現地調査や見積りをおこなっています。見積り後のキャンセルもできますので、気軽にご相談ください。
まとめ
アシナガバチは、後ろ足が長く黄色と黒で構成された2.6cmほどの蜂です。普段はおとなしく攻撃してくることはありませんが、6~8月の活動期に入ると巣に近づくだけで攻撃してくるほど攻撃性が高まります。
また、ベランダや軒下などの開放された空間に巣を作る傾向があります。巣の形はお椀をひっくり返したような形をしており、丸い巣穴がいくつも露出しているのが特徴です。このようなアシナガバチの生態を理解して、むやみに巣に近づかないようにしてください。
アシナガバチの巣が危険だと感じた場合は、駆除することをおすすめします。自分で駆除する自信がないという方は、業者に依頼して駆除してもらいましょう。
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